バルサアカデミーキャンプ
バルサアカデミーキャンプ
バルサエリートプログラム 2019冬遠征レポート

“一刻千金”
ハイレベルの選手が揃う本物の環境で、FCバルセロナのプレーコンセプトをより深く学ぶ

2019年12月1日 (日)〜10日 (火)の10日間、バルサアカデミーエリートプログラムを実施しました。2019年のサマーキャンプ (東ブロック)に参加をした選手の中から、小学3~5年生(小6早生まれも含む)約40名の選手達が参加をし、スペイン・バルセロナにて日本では経験できないような貴重な経験をしました。唯一無二の経験をみなさんも是非!!

出国からバルセロナ到着まで

成田国際空港→ドーハ国際空港(カタール)→バルセロナ到着→バルセロナ市内のホテル→昼食・夕食→就寝

楽しみにしていた出発の日を迎えました。成田からドーハ経由でバルセロナに到着した選手たちは、空港でさっそく日本とは異なる文化を感じていました。それでもみんな、限られた時間で多くを吸収したいという気持ちが強く、出会ったスペイン人に対しても積極的に"HOLA!(こんにちは)"と声をかけます。伝えたいことを言葉にできないもどかしさを感じながら、どうやればコミュニケーションをとれるかを試行錯誤していました。

エリートプログラム1日目

午前8:00 朝食 → 10:30〜12:00 バルサアカデミークリニック→ 13:30 昼食
午後 16:15 移動→17:30 地元クラブとの練習試合→ 20:45 移動→21:20 夕食 →23:00 就寝

日本との時差があるため起床後もまだ眠たそうな選手たちが多くいました。しかし今日からバルサアカデミークリニックが始まります。トレーニングに向けてみんなしっかり朝食をとりました。いざセッションが始めると眠気もなんのその。選手たちは大きな声を出しながら積極的に動き回ります。休憩時間には、現地バルサコーチと身振り手振りを交えながらコミュニケーションを図ろうとする姿も。初日にもかかわらずボールもよく動いており、素晴らしい形で1日を終えることができました。

エリートプログラム2日目

午前8:30 朝食 → 10:00 買い物→ 12:00 昼食
午後 13:45 移動→15:30〜16:30 バルサアカデミークリニック→ 16:45 移動→17:30 FUTBOL MANIA →19:15 移動→20:30 夕食→22:00→就寝

2日目は朝食後にホテル近郊にあるショッピングセンターへお出かけしました。スペインの店舗の雰囲気やシステムが日本のそれとは大きく異なることに驚きながらも、魅力的な商品をまえに目を輝かせます。「ユーロを日本円に換算するといくらになるか」周囲の選手たちと話しながら、買い物を楽しんでいました。

そして午後からは2度目のトレーニングが始まります。今回のセッションは、ファーストチームからカンテラ(下部組織)まですべてのカテゴリが使用するシウタット・エスポルティーバ・ジョアン・ガンペールで行われました。世界最高の環境でのトレーニングに、選手たちはFCバルセロナの偉大さを改めて感じました。

トレーニング終了後は、バルセロナで最も有名なスポーツストア「futbolmania」に移動。選手たちはいろいろなクラブのユニフォームや日本では取り扱いの無いスパイクなどに興味津々。家族やお友達のお土産に、みんな手に大きな荷物を抱えて帰りました。

エリートプログラム3日目

午前7:30 朝食 → 9:30 移動→ 9:30 FCBミュージアム&FCBショップ
午後 14:00 移動→15:00〜16:30 バルサアカデミークリニック→17:30 街クラブとの練習試合 →20:15 移動→21:00 夕食→22:30→就寝

3日目のスタートはFCバルセロナのホームスタジアム、カンプ・ノウから始まりました。選手たちはまずスタジアムに隣接してあるミュージアムに入り、クラブ創設以来獲得した数々のトロフィー、歴代のユニフォーム、多くの写真などを鑑賞しました。多くの選手たちが感動していたのは、メッシ選手が獲得した「バロンドール」が展示されていたことでした。

午後からは再びシウタット・エスポールティーバに移動。初日からさらにコミュニケーションが取れるようになった選手たちは、トレーニング内容の理解度も深めていました。セッションが終了したあとは地元サッカークラブとの練習試合。海外のチームと初めて試合をする選手も多く、相手選手の球際の強さや決定力の高さに驚くと同時に、日本では手に入れることができない貴重な経験を得ることができました。

エリートプログラム4日目

午前8:00 朝食 → 9:45 移動→ 10:30〜12:00 バルサアカデミークリニック
午後 13:30 昼食→15:30 移動→16:30 サグラダ・ファミリア観光 →19:00 移動→20:00 夕食→22:00→就寝

エリートプログラム後半となる4日目。午前中にクリニックが行われました。最後のトレーニングセッションということもあり、子供たちは現地コーチからの指導をひとつも聞き逃したくないという気持ちで、そのひとつひとつの言葉にかじりつきます。さらに昨日の練習試合やここまでのトレーニングで感じたことなどを質問。とても有意義な形でセッションを終えると、参加者全員に修了証と記念品のマフラーが贈られました。

午後、ホテルに戻りシャワーと昼食。さっぱりしておなかもいっぱいになった選手たちは、市内観光でサグラダ・ファミリアを見学しました。テレビや雑誌などでしか目にしたことがない歴史的建造物をまえに全員が大興奮。そのスケールに感動して、スペインが大好きになったという子や、いつか海外で生活してみたいというような子もいました。サッカーのトレーニングからだけでなく、文化的な面からも大きな刺激を得ていた瞬間でした。

エリートプログラム5日目

午前7:00 朝食 → 8:15 移動→ 9:30〜14:00 ワンデイカップ
午後 15:00 昼食→16:00 移動→19:00 夕食→20:00 移動→21:00 カンプノウにて試合観戦→23:30→移動・ホテル到着後就寝

5日目の午前中にはワンデイカップが開催されました。ここまで4日間のクリニックや練習試合で学んだことを実践する機会です。フィジカルに勝る地元強豪クラブとの試合のなかで、選手たちは短い期間で大きく成長したことを証明しました。あまりにも素晴らしい試合だったので、見学に来ていた相手チームの保護者からも拍手が起きたほどです。バルサが重要視する「謙虚さ」「努力」「野心」「リスペクト」「チームワーク」を表現した試合でした。

そしていよいよ待ちに待ったファーストチームの試合観戦です。数日前にメッシが6度目のバロンドールを獲得していたこともあり、試合前のカンプ・ノウではそのセレモニーが行われました。実際に目にする世界最高の選手のプレーに、子供たちはただ興奮するばかり。そのメッシがハットトリックを達成したこともあり、一生忘れられない試合になりました。

エリートプログラム6日目

午前9:00 朝食 → 10:00 荷物整理→ 12:15 移動
午後13:00 昼食 (パエリア)→15:00 移動→16:00 観光→19:00 移動→20:00 夕食 → 22:00就寝

6日目は荷物の片づけから始まりました。帰国は明日ですが、どの選手もお土産などが増えたため、スーツケースから物があふれ出ていました。閉まらないバッグを同じ部屋の仲間と協力して閉じる光景にもチームワークを感じました。

午後はスペインを代表する料理の一つパエリアを堪能。海沿いのレストランで食べる郷土料理は絶品でした。その後、バルセロナ市内が一望できる丘にバスで移動した選手たちは、まもなく終わる遠征に寂しさも感じていたようです。

バルセロナから日本到着まで

午前9:00 朝食 → 11:30 空港へ移動→ 12:30 移動
午後15:10 バルセロナ空港→ドーハ空港→成田国際空港

今回のエリートプログラムで、選手たちは海外の同年代とのレベルの違いを体験すると同時に、そこでも通用するプレーを学び、またそれを実践することができました。バルセロナの街で、バルサコーチから、バルサメソッドに基づいた指導を受ける。まさにバルサ尽くしの遠征でした。サッカー以外でも多くの経験を得た子供たち。今後の成長に期待も期待しています。

“バルセロナの一貫したトレーニングメソッドと海外での壁”

今回選出された子供たちは、バルサの一員としてこのエリートプログラムに参加しました。現地バルセロナで年間を通して行われる最先端のトレーニングについては、普段所属しているチームの指導とは異なるため、最初は戸惑う選手も少なくありませんでした。しかしバルサコーチから丁寧に指導を受けるなかで、子供たちは実際の試合で活かせるテクニック、状況判断を養えたと思います。

また、すべての選手たちが直面したのがいわゆる"言葉の壁"です。もちろん遠征には通訳が帯同していますが、子供たちは今すぐに聞きたいこと、教えて欲しいことを直接話すことができないもどかしさを胸に抱いていました。将来、海外でプレーしたいと考えている子供たちは、今回の遠征で言葉の重要性を強く感じたと思います。これは実際に海外に行かなければ実感できなかったことでしょう。

“現地スペインで学んだプレーの幅”

選手たちはクリニックや地元クラブとの練習試合を通して、日本でやっているトレーニングや試合の組み立て方との大きな違いを体験しました。その成果はワンデイカップですぐに現れています。バルサはすべてのカテゴリで試合における様々なシチュエーションを想定したトレーニングを行います。これを戦術的ピリオダイゼーションと言います。2015年のラグビーワールドカップで日本代表は南アフリカを破って世界を驚かせましたが、当時のエディー・ジョーンズ監督が代表トレーニングで取り入れていたのが、バルサ式の戦術的ピリオダイゼーションです。このトレーニングを行うことで、選手は実際の試合でいくつもの選択肢を持ちながらプレーすることができます。

“エリートプログラムの経験を各選手の成長へと繋げるために”

今回のエリートプログラムで、選手たちは日本では絶対に経験できないことを数多く学びました。それはサッカーだけでなく、今後の人生にとってきっと大きな糧になると思います。彼らが今回の経験を普段の学校生活やクラブ活動で活かすことを願っています。

帯同スタッフ・レポート
バルサアカデミー福岡:廣田 貢